2022/2/1

2回更新しただけで5ヶ月も空いた。

年末年始はこうめ(ミニチュアシュナウザー)と過ごすために1週間丸々実家に帰った。動物ってなんでこんなにかわいいんだろう。何を考えているかわかるようでわからないし、一緒に遊んでくれたり、こたつの周りをぐるぐる走り回ったり、あんなに面白くてかわいいものと過ごす時間以上に大切なことはこの先ないように思う。こうめを見ていると、動物は本能だけではなく確かに感情があると思える。言葉がない分、人間より純度が高いような気さえする。本当に「生まれたことが奇跡」を体現している。

去年は映画館にあまり行けてないけど、最近は1、2週間に1回は行けている。10月以降観たのをいくつかピックアップ。

『逃げた女』@早稲田松竹

久々の松竹。キムミニが会いに行く女性みんなに食事を用意してもらうのが幸せ。男たちは出来事を目撃できず、蚊帳の外。ホン・サンスの作品では同じ場所に違う人と行ったり、行動やシチュエーションの繰り返しがよく行われる。「何度も繰り返し話すことは本質的ではない」とキムミニは言い、確かに、ある内容にずっと同じ形を与えるのは本質を覆い続けることかもしれないけど、その内容はじつは(自分にとって?)かなり本質的なことなんじゃないかと思う。ずっと隠したいことだから。

『偶然と想像』@フィルメックス

フィルメックス2021のオープニング上映。監督と出演者の登壇があり、質問コーナーで野暮なことを聞いている人がいた。どの短編もエンパワメントに思えた。偶然と想像、あまりに映画的すぎるタイトル。濱口竜介の賢さが出まくっている。けど、面白いし泣けた。

『DUNE/デューン 砂の惑星』@グランドシネマサンシャイン

ティモシー・シャラメが全ての波動をモノにしていた。ティモシー・シャラメの出演作、大体が当てがきに思えるけど、先週みた『ドントルックアップ』は、映画自体もいわゆるハリウッドメジャーよりつまらなかったし、使いどころもかなりイマイチだった。

冬物語

ちょうど3年ぶり2度目の鑑賞。もう、ほんっとうに面白い。主人公のフェリシーが、自由であろうとすることでどんどん哲学に接近していく様子がめちゃくちゃ感動的。『冬物語』を観る前に、『春のソナタ』と『恋の秋』も観た。タイトル通り季節の中で生きている人は、憂鬱さえ生き生きとして見える。ロメール以上に好きな作家と出会うために映画を観るんだと思う。

『クライ・マッチョ』@グランドシネマサンシャイン

映画館で牧歌的なカントリーソングが流れるだけで満足してしまう(『デッド・ドント・ダイ』しかり)。道中惚れた女性と老いた元ロデオが、日の差すさびれたレストランで踊るシーンで終われるなんて、イースト・ウッド以外ありえない。

裁かるゝジャンヌ』@イメフォ

強く信じるものがあると、あの印象的な顔や涙が失われたとしても、それがそのまま魂として残るのだと少しだけ気づいた。信じるということがまだ、あまりわかっていないのかもしれない。審問官のひどい(褒めている)顔を見ていると、整った容姿の俳優が説明的なセリフばかり吐きながらいかにも「人間の醜さ」を描いたような邦画が本当に馬鹿らしく思える。

『フレンチ・ディスパッチ』@グランドシネマサンシャイン

待ちに待った公開初日、退勤後の金曜夜、2045〜の回。ショット1つ1つが、鋭さと愛で満ちている。ヒッチコックゴダールトリュフォー、カラックスなどなどとにかく幸せなオマージュがあり、それがほんのおまけであるような冒険の数々。もう1度みないことには!

まともに覚えているのはこれくらい。犬と映画を知っていてよかった。